読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ジュリア・クリステヴァ「斬首の光景」(9/14)

f:id:ambos:20160915152137j:plain

書名 斬首の光景
著者名 ジュリア・クリステヴァ/〔著〕 星埜守之/訳 塚本昌則/訳
出版社 東京 みすず書房
出版年月 2005.1
価格 4200円
ページ数 7,275,10p
大きさ 22cm
原書名 Visions capitalesの抄訳
ISBN 4-622-07085-5
件名 美術 身体像 顔
NDC9 704
NDC8 704
抄録 切断された首を主題に集成された多数のデッサンと、ギリシア正教文化人類学精神分析学、フェミニズムなど、クリステヴァ自身の膨大な知見を駆使して書かれた刺激的な書。底本はパリ・ルーヴル美術館の展覧会図録。
著者紹介 ジュリア・クリステヴァ〉1941年ブルガリア生まれ。フランスに渡り、現代フランス思想の潮流を担う一人となる。邦訳書に「詩的言語の革命」「ポリローグ」など。

内容説明

ブルガリア出身で、ロラン・バルトやフィリップ・ソレルスらとともにフランス現代思想界で中心 的な役割を果たし、現在でもさまざまな問題作を発表し続けている「異邦の女」ジュリア・クリステヴァ。彼女がルーブル美術館の全面的な協力のもと、あらゆ るイメージの根源に、「斬首」のヴィジョン(首の光景=決定的な場面)を探求した待望の美術・哲学論。クリステヴァは、デッサン(素描)という行為に、自 らの母親の記憶から人類の黎明期につながる人間の普遍的な営みを見出す。それは、あらゆる宗教現象の起源となり、切断された頭部のイメージに結晶する。太 古の人類における頭蓋骨崇拝から、古代神話のゴルゴン、そして聖ヨハネの首とキリストの顔が変成したビサンチンのイコンへ。さらには「残酷」そのものとし て屹立する近代のギロチン、現代のアヴァンギャルド芸術に至るまで、恐怖と魅惑に満ちた120点の図版とともに、精神分析学、文化人類学ギリシア正教を 中心とした宗教学、さらにはフェミニズムに由来する膨大な知識を駆使して語られるその真実。

目次

デッサン、あるいは思考の速さ
頭蓋―崇拝と芸術
メドゥーサとは誰か?
真の似姿―聖なる顔
余談―分配・構成、形象・表徴、顔
理想的な顔あるいは現働化する予言―洗礼者聖ヨハネ
斬首
ギロチンから死刑発止まで
恐怖の権力
顔と限界の経験

 

【読後評】★★★★☆

クリステヴァの真骨頂の出ている一冊。精神分析を利用して、アブジェについて語れることが、絵画論でも大きな威力を発揮する。それはデリダの絵画論と比較してみれば明らかだろう。中心はメトデゥーサ。お勧めの一冊。