立木 康介『狂気の愛、狂女への愛、狂気のなかの愛―愛と享楽について精神分析が知っている二、三のことがら』(10/3)

 

狂気の愛、狂女への愛、狂気のなかの愛―愛と享楽について精神分析が知っている二、三のことがら

 

狂気の愛、狂女への愛、狂気のなかの愛―愛と享楽について精神分析が知っている二、三のことがら

 

  • 価格 ¥2,700(本体¥2,500)
  • 水声社(2016/03発売)

 

内容説明

男の享楽、女の享楽。ラカンの名高いテーゼ「性関係はない」。これは愛についての精神分析が語りうるすべてなのか。もちろんそうではない。フロイトの発見をこのテーゼに昇華させたラカンは、しかし愛について語ることをやめなかった―たとえば宮廷愛について、あるいは狂気の愛について。運命的な愛の彷徨いを描いたブルトンやデュラスを導き手に、このテーゼの奥境に向かう。

目次

第1章 性関係はない―男の享楽と女の享楽(フロイトとともに;話存在とファルス享楽 ほか)
第2章 狂気の愛、狂女への愛、狂気のなかの愛―ブルトン、デュラス、ラカン(宮廷愛とはなにか;“物”の思想 ほか)
第3章 まどろみと海―エス、外の思考、“他なる”性(エスの系譜;ランシエール―美学的無意識の二つの相 ほか)
第4章 フロイトとサド(サドにおける欲望の運命;「隣人愛」の拒絶 ほか)

著者紹介

立木康介[ツイキコウスケ]
1968年生まれ、神奈川県出身。京都大学文学部卒業。パリ第八大学精神分析学科博士課程修了。現在、京都大学人文科学研究所准教授。専攻、精神分析(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

 

【寸評】★★★☆☆

奇妙な本だ。ブルトンの「ナジャ」と「狂気の愛」、デュラスの「死の病」と「ロル・V・シュタインの歓喜」をラカンを通じて読みなおす、あるいは換骨奪胎的に読み違える試み。ふーむ。第四章の「フロイトとサド」は教育的にわかりやすい。