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ジュルジュ・メリエスの「月世界旅行」(1902)--20世紀の思想と芸術

 

 

ジュルジュ・メリエスの「月世界旅行」は、リュミエール兄弟の屋外での現実のシーンの撮影に代わる新たな映画手法となった。この映画はアメリカで大成功をおさめた。

 

 

月世界旅行』(げつせかいりょこう、原題・仏語: Le Voyage dans la Lune, 英語: A Trip to the Moon)は1902年フランスジョルジュ・メリエスが脚本・監督した、モノクロ・サイレント映画。1秒16フレームで、14分の作品。原作はジュール・ヴェルヌの『月世界旅行』だが、この作品を大幅に簡略化し、変更を加えたものである。後半の月人のエピソードはH・G・ウェルズの『月世界最初の人間』(1901年)が基になっている。本作は色の付いた着色版(後述)も存在する。

本作は30のシーンで構成されており、当時の映画としては珍しい複数のシーンで撮られている。また様々なトリック撮影の技法が使われており、なおかつ物語があるという、非常に画期的な作品である。世界初のSF映画とされており、映画史を語る上で必ず登場する重要な作品の一つである。

日本でも1905年8月に、明治座で公開され、のちに『月世界探検』の邦題で再公開された。
2000年、米『ヴィレッジ・ヴォイス』紙発表の「20世紀の映画リスト」で第84位にランクインされた。

本作品は著作権が切れパブリックドメインとなっているため、インターネット上で動画を視聴することができる。

 

 
 

 

あらすじ

 
劇中のワンシーンをセットで撮影している様子

天文学学会で、メリエス扮する天文学教授は5人の学者とともに月への探検旅行を提案する。多くの人に迎えられて、6人の乗り込んだ砲弾型ロケットは、大砲で発射されて月へ向かう。ロケットは人面の月の右目に着弾。無事に着陸した6人は月面を探検する。旅の疲れで仮眠をとるが、いつしか降ってきた雪の寒さに耐えられず、洞窟の中へ避難した。洞窟の中には巨大なキノコがたくさん生えていたが、そこへ月人が現れ、1人の学者がこうもり傘で叩くと、月人は消えてしまった。今度は大勢の月人が現れ、6人は彼らに捕えられてしまい、月の王様のもとに突きだされた。しかし、1人の学者が王様を倒し、6人は逃亡。無数の月人たちが彼らを追いかける中、傘で応戦しながら逃走する。そこに崖の真上にある砲弾型ロケットを発見。一行はロケットに乗り込み、教授はロケットの先端のロープを引っ張ってロケットを落とす。そしてロケットは地球の海に落下。船に救助されて一行は無事に帰還し、これを記念して街では一行を迎えて盛大な祝事が行われた。

着色版

 
着色版のワンシーン

この映画には多くのメリエスの作品と同様に、黒白版と着色版がある。現存する唯一の着色版は、1993年スペインフィルモティカ・デ・カタルーニャカタロニア語版で発見されたものである。発見された時点で、このフィルムはバラバラの状態であったが、配列を調査したり、他の白黒版を用いて破損した箇所を修復するなどの過程を経て復元された[1][2]。着色版はデジタル・リストア版で修復されており、このバージョンが2011年カンヌ国際映画祭で上映された。

この復元作業については、2011年フランスドキュメンタリー映画メリエスの素晴らしき映画魔術』で詳細に紹介されている。

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