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フェルディナン・ゼッカの映画作品「ある犯罪の物語」(1901)--20世紀の思想と芸術

死刑囚の夢想場面がトリックで描かれる。最後は処刑場面であり、1910年に内務大臣が放映を禁止するまで、大評判だったという。ギロチンによる処刑である。

 

 

 

20世紀の魔術師〜ジョルジュ・メリエスの魔法映画〜


 メリエスに代わってフランス映画界をリードしていったのはシャルル・パテ(1863~1957)である。パテは、メリエスと異なり、実業家としての能力に長けており大きな成功を収めた。鶏のマークで知られるパテ社は、現在まで続いている。
 そのパテの下で映画を製作していたのが、フェルディナン・ゼッカ(1864~1947)であった。ゼッカは、メリエスほどは知られていないが、初期フランス映画界においては、メリエスと並ぶ巨匠と言ってよい。彼の作品は、幻想的なメリエスと正反対の、リアリズムにあふれるものであった。彼の最初のヒット作である「或る犯罪の物語」(1901年)を見てみよう。これは、殺人を犯してしまった一人の男の、犯行から逮捕、処刑までを描いたドキュメンタリー的な作品である。きわめて演劇的で、映画としての面白さには少々欠ける。主人公が処刑場に赴くシーンでは、背景の書き割りの空の部分にまで人物の影が映っているように、 作りも陳腐である。しかしながら、現実の再現と言う意味では、メリエスよりもよっぽど今日の映画に近いと言えるのではないか。

 

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Histoire d'un crime (Ferdinand Zecca, 1901) - YouTube