ジャン・ラプランシュ, J.‐B.ポンタリス『幻想の起源 』(11/5)

 

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幻想の起源
ジャン・ラプランシュ, J.‐B.ポンタリス著 ; 福本修訳(りぶらりあ選書)
出版者 東京 : 法政大学出版局
出版年 1996.11
大きさ 128p ; 20cm
別書名 原タイトル:Fantasme originaire : fantasmes des origines, origines du fantasme
一般注記 参考文献: p124-125
著者標目 Laplanche, Jean, 1924-
Pontalis, J. B., 1924-
福本, 修(1958-) 訳 <フクモト, オサム>

大著『精神分析用語辞典』の共著者が、フロイト著作の徹底的な読み込みとフロイト以後の精神分析学の成果をふまえて「幻想」と「性」の概念を軸に独自のフロイト解釈を提出する。「誘惑」「依託」「起源的幻想」というフロイトのキー概念を人間の原初における本質的・普遍的な構造と照合することによって鮮明に浮彫りにし、幻想の起源と機能、性と幻想との関係を幻想の一般理論として基礎づける試み。フロイトの原点に立ち返ってその思想形成過程を忠実に復元しつつ、精神分析理論の新たな発展の可能性をさぐる。

[目次]
第1章 「私は夜に訪れた」
第2章 「私の神経症理論はもはや信じられない」
第3章 「私は先史時代に関する著作を読む」
第4章 原「起源的」(Ur)
第5章 複数の入口を持つ脚本
第6章 「自己」(auto)の時―性の起源

 

【寸評】★★★☆☆

ラカンから離れて、フロイトに戻ろうとしたラブランシュ/ポンタリスの幻想論と性の理論。論の内容は考えさせる刺激的なものだ。もっといろいろな概念でこうした試みが必要だろう。