クロード・レヴィ=ストロース「遠近の回想」(8/10)

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書名 遠近の回想
著者名 クロード・レヴィ=ストロース/〔著〕 ディディエ・エリボン/〔著〕 竹内信夫/訳
出版社 東京 みすず書房
出版年月 1991.12
価格 2800円
ページ数 342,8p

 

 

20世紀という時代を深く生き抜いた思想家レヴィ=ストロースは、自分について語ることが少なかった。旧版では、文化人類学者としての生涯と精神の軌跡と を、45歳年下の鋭敏な聞き手を得て、のびのびと楽しく語っている。今回の増補新版は、その2年後に、旧版への反応を踏まえて行なわれた対談「二年後に」 を併せて収める。
話題は多岐にわたり、まず生涯の節目となった出来事を克明に語る。ブラジル滞在、亡命先のニューヨークで出会ったブルトンやエル ンスト、パリでのラカンメルロ=ポンティとの交流、1968年のパリ五月事件への反応、自らの構造主義的思考に決定的な影響をあたえたヤーコブソンの存 在…。
著書の1冊1冊について意図や背景を述懐する部分では、〈自然から文化への移行〉という壮大なテーマを生涯追求し、各々がその変奏曲であったことが浮彫りにされる。
さらに、ワーグナーコンラッドへの思い入れ、劇作家になりたかった夢など、その人間的魅力がふんだんに引き出され、発見も詰まっている。彼自身による最適なレヴィ=ストロース入門ともいえよう。

目次


プロローグ
第一部 ドン・キホーテの帰還
1 オッフェンバックからマルクスへ/2 フィールドに立つ民族学者/3 ニュー ヨークの放浪生活/4 旧世界への帰還/5 数字8の秘密/6 パリの構造主義/7 コレージュ・ド・フランスにて/8 緑の礼服――アカデミー・フラン セーズ/9 「退屈することはありません」
第二部 精神の法則
10 結婚の掟/11 感覚的世界/12 スー族、哲学者、科学/13 歴史の掃き溜めのなかで/14 鳥の卵採りの後を追って/15 思考の働き
第三部 複数の文化、単一の文化
16 人種と政治/17 文学/18 絵画の内容/19 音楽と声
エピローグ
二年後に