サミール・アミンの著作リスト--現代の思想家(004)

 

従属理論で有名なエジプト生まれの経済学者サミール・アミン

 

サミール・アミン

 
 
Samir Amin at the 2012 Subversive Festival (en) in Zagreb.

サミール・アミンアラビア語: سمير أمين、Samir Amin, 1931年9月3日 - )は、エジプトカイロ生まれの経済学者。現在はセネガルダカール在住。国際連合大学第三世界フォーラム部会長。

父親はエジプト人、母親はフランス人。エジプトのポートサイドで育ち、1947年から1957年までパリで政治学、経済学、統計学を学ぶ。パリではフランス共産党に参加するが、後に距離を置くようになり、毛沢東思想クメール・ルージュの思想などからも影響を受けた。

マルクス経済学の立場から開発途上国の「従属理論」をフランクカルドーゾなどと相前後して提唱した。彼の理論としては、世界資本主義システムでの中心=周縁論などが代表的である。この議論は80年代には下火になるが、イマニュエル・ウォーラーステイン世界システム論に影響を与えることになる。

邦訳著書

  • 『不等価交換と価値法則』(亜紀書房, 1979年)
  • 『世界的規模における資本蓄積(1)世界資本蓄積論』(柘植書房, 1979年)
  • 『世界的規模における資本蓄積(2)周辺資本主義構成体論』(柘植書房, 1979年)
  • 『世界的規模における資本蓄積(3)中心=周辺経済関係論』(柘植書房, 1981年)
  • 帝国主義と不均等発展』(第三書館, 1981年)
  • 『現代アラブ――経済と戦略』(新評論, 1981年)
  • 『世界は周辺部から変る』(第三書館, 1982年)
  • 『アラブ民族――その苦悶と未来』(亜紀書房, 1982年/新装版, 1991年)
  • 『価値法則と史的唯物論』(亜紀書房, 1983年)
  • 『マオイズムの未来』(第三書館, 1983年)
  • 『不均等発展――周辺資本主義の社会構成体に関する試論』(東洋経済新報社, 1983年)
  • 『階級と民族』(新評論, 1983年)
  • 『開発危機――自立する思想・自立する世界』(文眞堂, 1996年)

 

External links

Some writings by Samir Amin available on-line:

Critical review:

 

1 図書資料 アラブ民族-その苦悶と未来- サミール・アミーン/著 北沢正雄/訳 城川桂子/訳 亜紀書房 1991
2 図書資料 オルタナティブな社会主義へ-スイージーとアミン、未来を語る- スイージー/〔述〕 アミン/〔述〕 脇浜義明/監訳 渡辺政治経済研究所/編 新泉社 1990
3 図書資料 階級と民族 サミール・アミン/著 山崎カヲル/訳 新評論 1983
4 図書資料 開発危機-自立する思想・自立する世界- S・アミン/著 久保田順/〔ほか〕訳 文真堂 1996
5 図書資料 価値法則と史的唯物論 サミール・アミーン/著 北沢正雄/訳 亜紀書房 1983
6 図書資料 周辺資本主義構成体論 サミール・アミン/著者 柘植書房 1982
7 図書資料 世界的規模における資本蓄積 第1分冊 世界資本蓄積論 サミール・アミーン/著 柘植書房 1979
8 図書資料 世界は周辺部から変る サミール・アミーン/著 北沢正雄/監訳 第三書館 1982
9 図書資料 紛争と平和の世界的文脈 1 地域紛争と平和 国際連合大学/編 武者小路公秀/監訳 浦野起央/監訳 国際書院 1989

従属理論

 

従属理論(じゅうぞくりろん)

  1. 法学における公法私法の区別についての学説(Subordinationstheorie)。
  2. 経済学社会学国際関係における学説。本欄で詳述。

従属理論(じゅうぞくりろん、dependency theory)とは、経済学社会学において提起された学説。ラウル・プレビッシュen:Raul Prebisch)らの構造学派によって想起され、政治的発展を遂げ、提唱された。

 

 
 

 

概要

マルクス主義の影響が大きい。国際政治経済学においては、経済学政治学に対する不可避的影響を主張するものの一つである。

従来の帝国主義理論や一国単位での単線型発展モデルに対し、この理論は「先進国」の経済発展と「第三世界」の低開発をセットにして考えようとするものである。すなわち、第三世界の低開発は彼らを支配する先進国に原因があり、第三世界の近代化(資本形成)は先進国の経済発展に従属する形において行なわれる、という主張である。この問題を解決するには、前者の後者への従属を断ち切る必要があるというもの。

ポール・A・バランPolotical Economy of Growthの問題提起を受けて理論を提唱した代表的な論者がドイツ出身の経済学者アンドレ・グンダー・フランクであり、これを批判したのがアルゼンチン政治学者エルネスト・ラクラウである。また、エジプトの経済学者サミール・アミンブラジルの経済学者テオトニオ・ドス・サントスes:Theotonio Dos Santos)などによる学説がある。ブラジルの社会学者フェルナンド・エンリケ・カルドーゾ(のちブラジル大統領)は、フランクの学説をさらに洗練させた。

この主張の基底にある国際的不等価交換論を展開したのはアルジリ・エマニュエルen:Arghiri Emmanuel)である。彼は、不等価交換を2つに区別する。

そして、後者の不均等を重視して検討を行なっている。[1]。エマニュエルらの不等価交換論に対し、塩沢由典は不等価交換論は同情論と免責論として作用したと批判している[2]

1980年代のNIESの成功で、従属理論の影響力は低下した。しかしながら、この議論はヨハン・ガルトゥング構造的暴力論に影響を与え、イマニュエル・ウォーラステイン世界システム論に引き継がれた。

 

サミールアミンの資本主義世界システム理解と オルター・グローバリズム ...

http://hokuga.hgu.jp/dspace/bitstream/123456789/2955/1/%E7%B5%8C%E6%B8%88%E8%AB%96%E9%9B%86%E7%AC%AC63%E5%B7%BB2%E5%8F%B7_03_%E5%A4%A7%E5%B1%8B.pdf