リルケ『ドゥイノの悲歌』(11/29)

 

書名 ドゥイノの悲歌 改版
著者名 リルケ/作 手塚富雄/訳
出版社 東京 岩波書店
出版年月 2010.1
価格 600円
ページ数 232p
大きさ 15cm
シリーズ名 岩波文庫 32-432-3
原書名 Duineser Elegien
ISBN 9784003243237
NDC9 941.7
NDC8 941

 

【寸評】★★★★

数十年ぶりに読み返したが、やはりすばらしい。傑作だと思う。この詩は難しくて、注釈なしにはほとんど読めない。詳しい注釈はその点でも助かる。

朗読を聞ける。少し思いこみの強すぎる読みだが。

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原文はこちら。

gutenberg.spiegel.de

 

ジョン・K.ノイズ『マゾヒズムの発明』(11/28)

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書名 マゾヒズムの発明
著者名 ジョン・K.ノイズ/著 岸田秀/訳 加藤健司/訳
出版社 東京 青土社
出版年月 2002.1
価格 2800円
ページ数 399,18p
大きさ 20cm
原書名 The mastery of submission
ISBN 4-7917-5940-0
件名 異常性欲
NDC9 145.7
NDC8 145.7
注記 文献:巻末p6~18
抄録 時代の規範に服従しながら、それをズラしてゆく性的被虐のファンタジー。マゾッホが生きた19世紀の思想・社会的状況をふまえ、マゾヒズムの誕生から精神分析による変容をたどり、今日のエロスと政治の到達点を明らかにする。
著者紹介 〈ジョン・K.ノイズ〉1955年アメリカ生まれ。南アフリカ共和国ケープタウン大学准教授。専攻はドイツ文学、文学理論。

 

【寸評】★★★

宗教的な鞭打ちなどの営みは忠誠からあったものの、特殊な性的な営みとしてののゾヒズムは近代において発明されたものである。マゾッホからフロイトへ、そしてフロイト以後の精神分析へ、さらにフーコードゥルーズの分析へと、マゾヒズムの分析と実践の営みはつづく。深くはないが、読ませる一冊。

 

ユセフ・イシャグプール『現代芸術の出発-バタイユのマネ論をめぐって』(11/27)

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書名 現代芸術の出発-バタイユのマネ論をめぐって-
著者名 ユセフ・イシャグプール/〔著〕 川俣晃自/訳
出版社 東京 法政大学出版局
出版年月 1993.3
価格 1900円
ページ数 164p
大きさ 20cm
シリーズ名 叢書・ウニベルシタス 395
原書名 Aux origines de l’art moderne
ISBN 4-588-00395-X
件名 Manet,Edouard Bataille,Georges
NDC9 723.35
NDC8 723.35

 

【寸評】★★★

バタイユにいわせれば、マネは現代の芸術家の最初の人である」という一文から始まるこのエセーは、バタイユのマネ論とラスコー論をてがかりに、現代芸術の可能性を考察する。芸術論としても読める。

ボードレール論のリスト

ボードレール論のリストです。網羅的ではありません。手ごろに利用できるものだけをリストしました。

 

 

●炸裂する詩あるいはボードレールランボー(エスピテーメ叢書 ボードレール,シャル ジョルジュ・プーレ/著 ランボー,ジャン・ニコラ・アルテ/伝 朝日出版社 1981
●詩の記号学のために-シャルル・ボードレール詩篇「猫たち」を巡って-(叢書 記号 花輪光/篇 ボードレール,シャルル/伝 ロマーン・ヤーコブソン/著 クロード・レヴィ=ストロース/著 M.リファテール/著 ジョルジュ ムーナン 書肆風の薔薇 1985
シャルル・ボードレール-現代性の成立- 阿部良雄/著 河出書房新社 1995
シャルル・ボードレール-近代の寓意- 渡辺広士/著 小沢書店 1986
●パリの憂愁-ボードレールとその時代- 河盛好蔵/著 河出書房新社 1991
●パリ論/ボードレール論集成(ちくま学芸文庫 ヘ3-12) ヴァルター・ベンヤミン/著 浅井健二郎/編訳 久保哲司/訳 土合文夫/訳 筑摩書房 2015
バロック的理性と女性原理-ボードレールからベンヤミンへ-(バロック・コレクション クリスティーヌ・ビュシ=グリュックスマン/著 杉本紀子/訳 筑摩書房 1987
●晩年のボードレール 松井好夫/著 前橋 煥乎堂 1979
書資料 ボードレール テオフィル・ゴーチエ/著 井村実名子/訳 国書刊行会 2011
ボードレール ジョルジュ・ブラン/〔著〕 阿部良雄/訳 及川馥/訳 沖積舎 1985
ボードレール詩の冥府 多田道太郎/編 筑摩書房 1988
ボードレールアンリ・トロワイヤ/著 沓掛良彦/訳 中島淑恵/訳 水声社 2003
ボードレールと『パリの憂愁』 J.A.ヒドルストン/〔著〕 山田兼士/訳 沖積舎 1989
ボードレールのサディスム ジョルジュ・ブラン/著 及川馥/訳 沖積舎 1986
●ボ-ドレ-ルの世界 阿部良雄/編 青土社 1976
ボードレールの世界 福永武彦/著 講談社 1982
ボードレール《パリの憂愁》論 山田兼士/著 砂子屋書房 1991

 

 

ドストエーフスキイ『悪霊 2』(11/26)

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書名 悪霊 2 
著者名 ドストエーフスキイ/作 米川正夫/訳
出版社 東京 岩波書店
出版年月 1974
価格 頒価不明
ページ数 246p
大きさ 15cm
シリーズ名 岩波文庫
原書名 Бесы
NDC9 983
NDC8 983

 

【寸評】★★★

第二部前半は少し退屈。第一部では基本的な「わたし」視点が維持されていたが、第二部からわたし視点からの逸脱が顕著になる。

 

 

保坂和志『書きあぐねている人のための小説入門』(11/25)

 

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書名 書きあぐねている人のための小説入門
著者名 保坂和志/著
出版社 東京 草思社
出版年月 2003.10
価格 1400円
ページ数 218p
大きさ 19cm
ISBN 4-7942-1254-2
件名 小説-作法
NDC9 901.307
NDC8 901.3
抄録 読みすすめていくと、いままで見えていなかった新しい題材を発見して書きたくなってきます-。芥川賞作家が、小説家志望の人のために分かりやすく説いた小説技法。
著者紹介 〈保坂和志〉1956年山梨県生まれ。「プレーンソング」でデビュー。「草の上の朝食」で野間文芸新人賞、「この人の閾」で芥川賞、「季節の記憶」で平林たい子文学賞谷崎潤一郎賞を受賞。

 

【寸評】★★★

小説を書こうと思ってない人も楽しく読める小説入門。ただし物語を書こうと思っているひとにはあまり役にたたないかも。しかし物語ではなく、小説でこれだけ章を総なめにしているとは、すごいな。日本の伝統にあっているのかも。

 

ドストエーフスキイ『悪霊 1』(11/24)

 

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書名 悪霊 1
著者名 ドストエーフスキイ/作 米川正夫/訳
出版社 東京 岩波書店
出版年月 1978
価格 400円
ページ数 375p
大きさ 15cm
シリーズ名 岩波文庫
NDC9 983
NDC8 983

第一章 序にかえて 

第二章 王子ハーリイ ー縁談ー 

第三章 他人の悪業 

第四章 跛の女 

第五章 賢しき蛇。

 

【寸評】★★★★

「悪霊」の第一部の翻訳。つくづくドストエフスキーは物語巧者だと思う。最初はステファン氏を中心に物語が語られ、後の意外な展開は到底想像すらすることができない。

第一部の半ば過ぎくらいまでは、朗読もある。

 

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