中村昇「ホワイトヘッドの哲学」(9/4)

【読後評】★★★☆☆

ホワイトヘッドの基本的な考え方を伝えることだけに絞った書。これで著者の望む「ホワイトヘッドの世紀」が訪れるかどうかは、疑問だが。第3章のベルクソンとの比較は面白い。

 

 

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書名 ホワイトヘッドの哲学
著者名 中村昇/著
出版社 東京 講談社
出版年月 2007.6
価格 1500円
ページ数 178p
大きさ 19cm
シリーズ名 講談社選書メチエ 390
ISBN 9784062583909
件名 Whitehead,Alfred North
NDC9 133.5
NDC8 133.5
抄録 ホワイトヘッドの世紀は来るのか。世界をすべて過程(プロセス)としてとらえ、独自の哲学を展開したホワイトヘッド。その思考を平易に解説し、真価を問う。一話完結のエッセイとしても読めるホワイトヘッド入門書。
著者紹介 〈中村昇〉1958年長崎県生まれ。中央大学大学院文学研究科博士課程修了。同大学教授。著書に「いかにしてわたしは哲学にのめりこんだのか」「小林秀雄ウィトゲンシュタイン」など。

 

超難解な思考をあざやかに解説! ホワイトヘッドの世紀は来るか!? 本書は、ホワイトヘッドという哲学者のひじょうに偏った入門書である。読者の方々が、ホワイトヘッド自身の本を手に とってみようか、という気になられることだけを目指した。他意(?)はない。わかりやすさを重視したので、かなり強引なところもあると思う。特に入門篇 は、こちらの興味にぐっとひきつけて書いた。淡々と説明だけをするというのは、どうしても性にあわない。それぞれが、1話完結のエッセイとしても読めるよ うに工夫したつもりだ。上手くいったかどうかは、保証の限りではない。もちろん全体として一貫した流れはある。いってみれば、本書全体が、ホワイトヘッド が考えたこの宇宙とおなじあり方、つまり「非連続の連続」になっているといえる……といいのだが。――〈[まえがき]より〉(講談社選書メチエ

 

 まえがき
第1章 入門以前――ホワイトヘッド哲学の見取り図
  1 ホワイトヘッドの世紀
  2 出会い
  3 なぜかくも難解なのか
  4 哲学は詩である
  5 「こと」と「もの」
  6 ひとつの出来事とはなにか
  7 電磁気的な時代
  8 相対論と量子論
  9 生きいきとした自然
  10 具体的なもの
第2章 入門篇――ホワイトヘッド哲学そのもの
  1 唯一無二のそれ (actual entity)
  2 <わたし>ということ
  3 非連続の連続
  4 かかわり方 (prehension)
  5 知るための手がかり (eternal object)
  6 フィーリングの海
  7 物質と記憶
  8 象徴によるつながり (symbolic reference)
  9 自己超越体 (superject)
  10 一元、二元、多元
  11 神と世界
第3章 応用篇――エポツク的時間とはなにか
  1 エポツクとはなにか
  2 純粋持続
  3 刹那滅
  4 エポック的時間
 あとがき

 

 
中村昇
 
 
ホワイトヘッドの哲学

1267夜『ホワイトヘッドの哲学』中村昇|松岡正剛の千夜千冊