アントニオ・R.ダマシオ『無意識の脳自己意識の脳-身体と情動と感情の神秘-』(10/21)
書名 | 無意識の脳自己意識の脳-身体と情動と感情の神秘- |
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著者名 | アントニオ・R.ダマシオ/著 田中三彦/訳 |
出版社 | 東京 講談社 |
出版年月 | 2003.6 |
価格 | 2800円 |
ページ数 | 412p |
大きさ | 20cm |
原書名 | The feeling of what happens |
ISBN | 4-06-211878-5 |
件名 | 脳 意識 情動 感情 |
NDC9 | 491.371 |
NDC8 | 491.371 |
抄録 | 脳科学の最新理論。無意識と意識の間には何があるのか、なぜ自分はずっと自分でいられるのか。脳科学・心理学・哲学の専門家はもとより、脳・心・自己について関心を持つ人必読の情報満載。 |
著者紹介 | 〈アントニオ・R.ダマシオ〉ポルトガル生まれ。アメリカの神経学者兼神経科医。現在、アイオワ大学の神経学部長。著書に「神経心理学と病巣解析」などがある。 |
商品説明
近年、生命科学の分野は発展がめざましい。そのなかでも、脳、心、意識というのは生命科学における最後の、そして最大の謎であり、同時にたいへん魅力的な研究対象と言えるだろう。
本書は、世界中でベストセラーとなった『生存する脳』(原題:『Descartes' Error』)の第2弾。著者のダマシオ・アントニオはアメリカでも指折りの脳神経学者である。本書のテーマは「われわれはどのようにして意識の光へと足を踏み入れるのか」である。「光の中に足を踏み入れる」というのは、意識や認識する心の誕生に対する、あるいは心の世界に「自己感(sense of self)」がもたらされるという単純だが重要な出来事に対する、説得力のあるメタファーであると著者は記している。学習・記憶障害などを持った患者たちの、健常者には考えられないような不思議な行動や発言の観察から著者が最終的に導き出したのが、意識とは「認識の感情である」という考え方だ。
著者は、本書で述べるアイディアが自己という問題を生物学的視点から明らかにするうえで役に立てば、と謙虚な姿勢を見せている。しかし、脳だけでなく身体を考慮に入れて「心」の問題に取り組んでいる著者の功績は評価されるべきであろう。そして、このオリジナリティーあふれる著者の研究の成果を目にすることで、脳神経科学、認知神経科学の面白さを実感すること請け合いである。(冴木なお)
【寸評】★★★☆☆
基本的にはやっていることは正しいのだと思う。ただしすべてを脳のさまざまな器官との対応で考えようとすると、無理がでてくる。もちろんこれはやるべきことなのだが。