理論
家族療法は、様々な治療効果研究の複合体であるが、次第に、一般システム理論の視点が取り入れられるようになった。ほか、ダブルバインド(二重拘束仮説)、サイバネティックス、オートポイエーシスなどの理論からも影響を受けている。
現在では一般システム理論に基づいた(システムズ・アプローチという)家族療法が主流となっている。
システムズ・アプローチ
システムズアプローチによる家族療法では、家族を、個々の成員が互いに影響を与えあうひとつのシステムとして考える。そのため、家族成員に生じた問 題は、単一の原因に起因するものではなく、互いに影響を与え合う中で、問題を維持する原因と結果の悪循環を描いていると考えていく。そこで、問題を抱えた 家族成員を、従来のクライエントという呼び方ではなく、家族を代表して問題を表現している人という意味で、IP(Identified Patient;患者と見なされた人)と呼ぶ。
諸学派
- コミュニケーション派家族療法 / MRI(Mental Research Insititute)グループ / パロアルトグループ
- ドン・ジャクソン(Don Jackson)
- リチャード・フィッシュ(Richard Fisch)
- ポール・ワツラウィック(Paul Watzlawick)- 1974 Watzlawick, P., Weakland, J. H. & Fisch, R. 1974 Change : principles of problem formation and problem resolution. New York : Norton(ワツラウィックP.・ウィークランドJ.H.・フィッシュR.(著) 長谷川啓三(訳) 1992 変化の原理:問題の形成と解決 東京:法政大学出版局)、1983 The situation is hopeless, but not serious. New York : Norton(長谷川啓三(訳) 1987 希望の心理学:そのパラドキシカルアプロ - チ 東京:法政大学出版局)
- ジョン・ウィークランド(John Weakland)
- 戦略派家族療法 / 戦略的家族療法
- ミラノ派家族療法 / システミック派家族療法
- セルヴィニ - パラツォーリ(Mara Selvini-Palazzoli)
- 精神力動的家族療法
- ネーサン・アッカーマン(Nathan Ackerman)
- 多世代派家族療法
- マレー・ボーエン(Murray Bowen)
- 構造派家族療法 / 構造的家族療法
- サルバドール・ミニューチン(Salvador Minuchin)